天使☆騒々 Re-BOOT! クリア感想

天使騒々 Re-BOOT! をクリアしたので感想を。ネタバレありなので注意。
喫茶ステラと死神の蝶に関しては個人的に高評価だったこともあり、前作のPARQUETは一般ゲーだったのが残念だったゆずソフトですが、本作はめでたく18禁ゲーとして発売。
珍しくこの界隈もにぎわったみたいですね。老舗がつぶれまくっている昨今、ノベルゲー好きとしてはこのメーカーには今後も頑張ってほしい所です。

そんな期待値の高かった本作ですが、全体的は雰囲気やテンポの良さは流石の一言。
キャラに関してはステラのナツメほどクリティカルに刺さることはなかったものの、平均値なら本作の方が好きかもしれないです。
ただ、全ルート通しての感想ですが、全体的にファンタジー要素が薄いのが勿体なかったかな。
異世界、魔王、魔法といった今流行りのキーワードがふんだんに用いられているにもかかわらず、ストーリー的に活かしきれているとは言い難い内容。
全編通してバトルはほとんどなく、あっても魔王パワードカーンくらいで終わるのがほとんど。
かといってファンタジー要素が本筋に関わっていないかと言われるとそうでもないので中途半端なんですよね。
ステラの時は死神の蝶要素以外に喫茶店の要素を主軸に据えていたため、現実とファンタジーのバランスがある程度取れていたように思えますが、本作は異世界を主軸に据えており、現実要素はほぼ皆無(学校も夏休みメインなのでほとんど絡まない)なので余計物足りなさを感じる。
折角面白そうな素材を用意したのに調理せずに出てきたような残念感でした。
以下個別ルートの感想。全体的に無難にまとまっており、どれも同じくらいの面白さ。
強いて順位を付けるのであれば、かぐ耶>オリエ>来海>乃愛>天音>風実花かな。
天音に関しては妹シナリオが苦手なのでこの順位ですが、シナリオそのものは一番面白いと思います。

どすけべ女王の名に恥じないエロ特化シナリオ。
異世界の問題を解決してくれる数少ないルート(乃愛ルートの敵は残っていますが)
まぁ他のルートでも結局かぐ耶が頑張って問題を何とかするのでしょうけど、だったらかぐ耶ルートは不要な気がしてモヤモヤするんだよなぁ。
共通ルートで刺客を出すのであれば個別ルートでそれぞれ違った形で解決させるのがセオリーな気がするのですが、本作では基本投げっぱなしというのはどうなんだろう。
そんなかぐ耶ルートですが、刺客に襲われたり、王位継承争いがあったりと一番異世界ファンタジー要素が盛り込まれていて壮大な雰囲気を醸し出しているものの、全体的な解決が滅茶苦茶あっさりしていて拍子抜けします。
ゆずソフトのゲームで壮大なファンタジーをやれとまでは言いませんが、このレベルの内容だとシナリオのプロットづくりのために作った設定を義務的に消化しているだけに感じてしまう。
まぁ、それでもかぐ耶のキャラは良いですし、シナリオはエロ方面に振り切っていることもあり、シナリオの評価としては一番です。
かぐや姫からとった名前とエンディングの一枚絵の構図はかなり好き。というか、このシーンだけで評価が上がった感もあります。

個別ルートに入ると一番印象が変わるキャラ。
ツンデレとは少し違ったタイプのギャップ萌えですね。
サブキャラということでシナリオのボリューム自体は薄く、プロット的にもかぐ耶ルートから異世界要素の大半を取り除いた感じ。
ただ、先述のとおりそもそも本作のファンタジー要素は薄いので、その部分を削ってくれたオリエルートは純粋に関係性の進展に尺を割いたおかげでむしろ良かったと思います。

来海はキャラとして良い感じなのはもちろんなのですが、このルートは来海の友人二人が良い味を出していました。
本作は男性サブキャラがほとんどおらず、この手のゲームにありがちな親友枠もいないため、ヒロインとの仲が進展した後の冷やかし的な展開が少ないのが残念でした(精々天音くらい)
来海ルートでは友人二人がそのポジションを担ってくれるので、他ルートで物足りなかった部分が解消されたのは良かったです。
シナリオとしては宵の監視者という新勢力が出てくるものの、こちらも魔王パワーであっさり解決。
中盤は敵を探すことに注力するためいちゃラブ要素が物足りない感も否めないかな。

一番シリアス成分が多めなシナリオ。
他のルートでも匂わせはあるものの、乃愛の前世がはっきり語られるのはこのルートだけなので一応重要ではある。
ただ、戦乙女に関しては生い立ち等の説明はあるものの、天使に関しては最後までよくわからずというのはどうなんだろう。
戦乙女として死んだら何故か天使になって、その後何故か人間になって、その後何故か堕天使になるという謎の連発は最後までよくわからず仕舞い。
天使が第三勢力になるわけでもなく、魔族に存在を知られていないガードマン以上の役割が無かったのは残念でした。
キャラとしてはエロにほわほわ言うロリキャラということで、個人的には一番微妙だったこともあり、ちょっとメインを張るには弱いなぁといった印象。
あと、喫茶ステラが出てくるのはファンサービスとして良いのですが、せっかく声優が被っているのだからナツメと愛衣を出して欲しかった。愛衣は別名義だから難しいかもしれませんが。

メスガキ系実妹キャラ。
ゆずソフトはライトなキャラゲーという印象だったので、義妹ではなく実妹のまま通したのは驚きました。
先述のとおり、個人的に妹シナリオが苦手で、中でも実妹シナリオは無理なので評価は低いです。
シナリオそのものの出来としては天音の心情をしっかり語っており、異世界の諸々の問題を(パワープレイで)ちゃんと解決していることもあって一番よく出来ていると思います。
ただ、シナリオ中で葛藤している将来の問題については特に解決しておらず、未来の自分に投げっぱなしで終わるのはモヤモヤしました。
いやまぁ。両親にバレて鬱展開まっしぐらというのもコンセプトに合わない気がするのですが、それなら義妹にしておけよと。

個人的には一番好きなキャラだったのですが、シナリオが同じサブヒロインのオリエよりさらに短いのが残念でした。
自分の気持ちが前世に引っ張られているのか分からないという来海シナリオと同じ展開。
しかもその葛藤が解決したら即エンディングというのはかなり物足りないです。
付き合ってからの展開がほとんど描かれないのは悲しすぎる。
あと、前世があるにもかかわらず、他ルートで一切存在が語られないのは後付けでルートを追加したのかなぁと邪推してしまいました。

★★★★★★★☆ (7.5/10.0)
キャラ良し、テンポ良し、シナリオ微妙と言う勿体ないゲーム。
各素材は非常に良いものをそろえており、面白くなりそうな雰囲気なだけに全体的な消化不良感が非常にモヤモヤします。
キャラゲーとして見ると各キャラの魅力の平均値は非常に高いものの、ファンタジー要素に尺を割かれて掘り下げ不足に感じました。
総じて悪いゲームではないけれど、もっと面白くできたんじゃないかなぁという期待値に届かなかったゲームという印象です。
珍しくこの界隈もにぎわったみたいですね。老舗がつぶれまくっている昨今、ノベルゲー好きとしてはこのメーカーには今後も頑張ってほしい所です。
全体的な感想とか

そんな期待値の高かった本作ですが、全体的は雰囲気やテンポの良さは流石の一言。
キャラに関してはステラのナツメほどクリティカルに刺さることはなかったものの、平均値なら本作の方が好きかもしれないです。
ただ、全ルート通しての感想ですが、全体的にファンタジー要素が薄いのが勿体なかったかな。
異世界、魔王、魔法といった今流行りのキーワードがふんだんに用いられているにもかかわらず、ストーリー的に活かしきれているとは言い難い内容。
全編通してバトルはほとんどなく、あっても魔王パワードカーンくらいで終わるのがほとんど。
かといってファンタジー要素が本筋に関わっていないかと言われるとそうでもないので中途半端なんですよね。
ステラの時は死神の蝶要素以外に喫茶店の要素を主軸に据えていたため、現実とファンタジーのバランスがある程度取れていたように思えますが、本作は異世界を主軸に据えており、現実要素はほぼ皆無(学校も夏休みメインなのでほとんど絡まない)なので余計物足りなさを感じる。
折角面白そうな素材を用意したのに調理せずに出てきたような残念感でした。
以下個別ルートの感想。全体的に無難にまとまっており、どれも同じくらいの面白さ。
強いて順位を付けるのであれば、かぐ耶>オリエ>来海>乃愛>天音>風実花かな。
天音に関しては妹シナリオが苦手なのでこの順位ですが、シナリオそのものは一番面白いと思います。
◆かぐ耶

どすけべ女王の名に恥じないエロ特化シナリオ。
異世界の問題を解決してくれる数少ないルート(乃愛ルートの敵は残っていますが)
まぁ他のルートでも結局かぐ耶が頑張って問題を何とかするのでしょうけど、だったらかぐ耶ルートは不要な気がしてモヤモヤするんだよなぁ。
共通ルートで刺客を出すのであれば個別ルートでそれぞれ違った形で解決させるのがセオリーな気がするのですが、本作では基本投げっぱなしというのはどうなんだろう。
そんなかぐ耶ルートですが、刺客に襲われたり、王位継承争いがあったりと一番異世界ファンタジー要素が盛り込まれていて壮大な雰囲気を醸し出しているものの、全体的な解決が滅茶苦茶あっさりしていて拍子抜けします。
ゆずソフトのゲームで壮大なファンタジーをやれとまでは言いませんが、このレベルの内容だとシナリオのプロットづくりのために作った設定を義務的に消化しているだけに感じてしまう。
まぁ、それでもかぐ耶のキャラは良いですし、シナリオはエロ方面に振り切っていることもあり、シナリオの評価としては一番です。
かぐや姫からとった名前とエンディングの一枚絵の構図はかなり好き。というか、このシーンだけで評価が上がった感もあります。
◆オリエ

個別ルートに入ると一番印象が変わるキャラ。
ツンデレとは少し違ったタイプのギャップ萌えですね。
サブキャラということでシナリオのボリューム自体は薄く、プロット的にもかぐ耶ルートから異世界要素の大半を取り除いた感じ。
ただ、先述のとおりそもそも本作のファンタジー要素は薄いので、その部分を削ってくれたオリエルートは純粋に関係性の進展に尺を割いたおかげでむしろ良かったと思います。
◆来海

来海はキャラとして良い感じなのはもちろんなのですが、このルートは来海の友人二人が良い味を出していました。
本作は男性サブキャラがほとんどおらず、この手のゲームにありがちな親友枠もいないため、ヒロインとの仲が進展した後の冷やかし的な展開が少ないのが残念でした(精々天音くらい)
来海ルートでは友人二人がそのポジションを担ってくれるので、他ルートで物足りなかった部分が解消されたのは良かったです。
シナリオとしては宵の監視者という新勢力が出てくるものの、こちらも魔王パワーであっさり解決。
中盤は敵を探すことに注力するためいちゃラブ要素が物足りない感も否めないかな。
◆乃愛

一番シリアス成分が多めなシナリオ。
他のルートでも匂わせはあるものの、乃愛の前世がはっきり語られるのはこのルートだけなので一応重要ではある。
ただ、戦乙女に関しては生い立ち等の説明はあるものの、天使に関しては最後までよくわからずというのはどうなんだろう。
戦乙女として死んだら何故か天使になって、その後何故か人間になって、その後何故か堕天使になるという謎の連発は最後までよくわからず仕舞い。
天使が第三勢力になるわけでもなく、魔族に存在を知られていないガードマン以上の役割が無かったのは残念でした。
キャラとしてはエロにほわほわ言うロリキャラということで、個人的には一番微妙だったこともあり、ちょっとメインを張るには弱いなぁといった印象。
あと、喫茶ステラが出てくるのはファンサービスとして良いのですが、せっかく声優が被っているのだからナツメと愛衣を出して欲しかった。愛衣は別名義だから難しいかもしれませんが。
◆天音

メスガキ系実妹キャラ。
ゆずソフトはライトなキャラゲーという印象だったので、義妹ではなく実妹のまま通したのは驚きました。
先述のとおり、個人的に妹シナリオが苦手で、中でも実妹シナリオは無理なので評価は低いです。
シナリオそのものの出来としては天音の心情をしっかり語っており、異世界の諸々の問題を(パワープレイで)ちゃんと解決していることもあって一番よく出来ていると思います。
ただ、シナリオ中で葛藤している将来の問題については特に解決しておらず、未来の自分に投げっぱなしで終わるのはモヤモヤしました。
いやまぁ。両親にバレて鬱展開まっしぐらというのもコンセプトに合わない気がするのですが、それなら義妹にしておけよと。
◆風実花

個人的には一番好きなキャラだったのですが、シナリオが同じサブヒロインのオリエよりさらに短いのが残念でした。
自分の気持ちが前世に引っ張られているのか分からないという来海シナリオと同じ展開。
しかもその葛藤が解決したら即エンディングというのはかなり物足りないです。
付き合ってからの展開がほとんど描かれないのは悲しすぎる。
あと、前世があるにもかかわらず、他ルートで一切存在が語られないのは後付けでルートを追加したのかなぁと邪推してしまいました。
総評

★★★★★★★☆ (7.5/10.0)
キャラ良し、テンポ良し、シナリオ微妙と言う勿体ないゲーム。
各素材は非常に良いものをそろえており、面白くなりそうな雰囲気なだけに全体的な消化不良感が非常にモヤモヤします。
キャラゲーとして見ると各キャラの魅力の平均値は非常に高いものの、ファンタジー要素に尺を割かれて掘り下げ不足に感じました。
総じて悪いゲームではないけれど、もっと面白くできたんじゃないかなぁという期待値に届かなかったゲームという印象です。
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